運営者 志水恵臣(日商簿記3級・2級)
運営者
志水 恵臣日商簿記3級・2級
滋賀大学経済学部卒。合同会社VIAのCOOとして経理・会計の実務に携わる。
この記事の結論

40代・未経験からの経理転職で、簿記2級は必要条件ではあっても十分条件ではありません。求人への応募要件を満たす意味はありますが、資格だけで選考を通過するのは難しいのが実情です。

ただし「40代だから無理」でもありません。この記事では、求人の年齢制限に関する法律の建前と運用の実際を整理したうえで、年代別に現実的なルートを比較します。

求人の年齢制限原則禁止
例外事由の想定年齢45歳未満
義務化された年2007
2級の位置づけ応募要件

※会話は理解を助けるために構成したものです。志水は本メディアの運営者、あかりは読者代表として設定した架空の人物です。

読者代表 あかりのイラストあかり
あかり求人票で年齢を見かけないのに、40代だと厳しいと言われるのはなぜですか?
運営者 志水のイラスト志水
志水そこは法律の建前と運用の実際が分かれている部分です。まず制度から説明しますね。

求人の年齢制限は「原則禁止」されている

労働施策総合推進法(旧・雇用対策法)により、事業主が募集・採用で年齢を理由とした制限を設けることは原則として禁止されています。平成19年(2007年)の法改正で義務化されました。

つまり求人票に「35歳まで」と書けないのが原則です。選考の場面でも、年齢を理由に採否を決めれば法律違反となる可能性があります。

ただし例外事由が定められており、理由を求人票に明記すれば年齢を指定できます。転職市場で関係が深いのは、長期勤続によるキャリア形成を目的として若年者を無期雇用で募集する場合の例外です。この例外は原則35歳未満、おおむね45歳未満を想定して設けられたものとされています。

1
だから「未経験歓迎」求人は若年層に寄りやすい

未経験者を採用して育てる求人は、性質上このキャリア形成の例外に当てはまりやすい。結果として、未経験歓迎の求人ほど若い年齢層を想定して設計されていることになります。年齢制限が禁止されているのに40代が不利に感じるのは、この構造によるものです。

2
育成コストの見方が年代で変わる

企業側から見ると、未経験者を一人前にするまでの投資は年代を問わず同じです。そのため同じコストなら回収期間の長い若手を、という判断が働きやすくなります。これは能力の評価ではなく採用の経済計算で、40代側が変えられる部分ではありません。

3
逆に、経験者は年代を問わず不足している

決算を締められる、連結や税務の経験がある、といった即戦力の経理人材は年代にかかわらず求められています。「40代の経理転職は難しい」という話の多くは未経験の場合を指しており、経験者にはそのまま当てはまりません。

年代別の現実と、現実的なルート

年代(未経験)見通し現実的なルート
20代通りやすい未経験歓迎求人の中心層。簿記2級があれば応募先はかなり広い
30代前半狙えるキャリア形成の例外に収まる年代。前職の経験との接続を語れると強い
30代後半絞られる求人数が減りはじめる。中小企業・会計事務所を含めて広く見る
40代限られる中小企業・会計事務所+隣接業務の経験を組み合わせるのが現実的
50代以上かなり限られる完全未経験は厳しい。現職での経理関連業務からの移行を検討

年代が上がるほど、「未経験」ではなく「隣接経験あり」に持ち込めるかが分かれ目になります。次で説明します。

読者代表 あかりのイラストあかり
あかり40代で完全未経験だと、やはり難しいということでしょうか。
運営者 志水のイラスト志水
志水完全未経験のままだと選択肢は限られます。ただ「完全未経験」ではない方が多いんです。請求書の処理、経費精算、売上の管理——こうした業務に触れていれば、それは経理の隣接経験として語れます。

隣接経験の棚卸しをする

次の業務に関わったことがあれば、履歴書上は「未経験」でも、選考では経理の隣接経験として扱えます。

経験接続する経理業務評価
請求書の発行・処理売掛金管理・買掛金管理直結
経費精算のチェック仕訳入力・経費管理直結
売上・入金の管理売掛金の消込直結
給与計算・社会保険人件費の計上近い
Excelでの集計業務各種資料作成・分析近い
会計ソフトの操作仕訳入力全般近い

自分の職歴で棚卸ししてみる?

40代で経理は未経験。今までの仕事の中から、経理に使える経験を一緒に洗い出して。

押すと、この質問が入った状態で開きます(書き換えOK・ログインが必要な場合あり)。

3つの質問で、進み方を決める

Q1
上の隣接経験に、1つでも当てはまりますか? 当てはまる → 「未経験」ではなく「隣接経験あり」として応募できます。Q2へ。 当てはまらない → まず現職の中で、経理に近い業務に関わる機会を探すほうが早い可能性があります。
Q2
簿記2級を持っていますか(または取得予定ですか)? ある/取る → 応募要件を満たせます。Q3へ。 取る予定がない → 多くの求人で要件になっているため、まず取得を優先してください。
Q3
応募先を大企業に限定していませんか? 限定している → 40代・未経験では選択肢が極端に狭まります。中小企業・会計事務所まで広げてください。 広く見ている → 現実的です。隣接経験と2級を組み合わせて応募してください。

まだ迷っている人へ

読者代表 あかりのイラストあかり
あかり年齢制限が禁止されているなら、応募してみてもいいということでしょうか。
運営者 志水のイラスト志水
志水はい、応募自体を止める理由はありません。年齢を理由に採否を決めることは法律上問題があるとされています。ただ求人の設計が若年層を想定している場合があるのは事実なので、応募先の幅を広げておくほうが現実的です。
読者代表 あかりのイラストあかり
あかり会計事務所も選択肢に入るんですね。
運営者 志水のイラスト志水
志水税理士事務所や会計事務所は、簿記の知識をそのまま使う職場です。一般企業の経理より資格が評価されやすい傾向があります。年代が上の方には現実的な入口の一つだと思います。

まとめ

求人の年齢制限は法律上原則禁止されていますが、キャリア形成を理由とした例外があり、その想定はおおむね45歳未満です。未経験歓迎求人が若年層に寄りやすいのは、この構造によるものです。

40代・未経験の現実的なルートは、中小企業・会計事務所+隣接業務の経験の組み合わせです。請求書処理や経費精算に関わっていれば、それは「未経験」ではありません。

簿記2級は応募要件を満たすために必要ですが、それだけでは決まりません。隣接経験の棚卸しとセットで進めてください。

現実的なルートを引いてみる?

いきなり経理は難しい? 私の年齢と職歴だと、どの順番で動くのが現実的か教えて。

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※AIの回答には誤りが含まれることがあります。受験料・試験日程・講座価格などは、本記事および日本商工会議所などの公式サイトで最新の情報をご確認ください。

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